現在からの独白
何をかくそう、ワタシは「NANA」のファンである。
もともとは、こどもたちが読んでいたのをなにげに読んだのが始まりだが、あまりのおもしろさにコミックスを大人買いしたという経緯がある。
作者の「矢沢あい」という人は、ストーリー展開の巧い人だなと思う。
この人の作品で「ご近所物語」というのがあるが、これもなかなか楽しめる作品だった。はじめは若い子向けのお手軽コミックスかと思うが、なかなかどうして、筋立てやキャラクター設定がしっかりしている。男の子やOLさんや、ワタシのような母親世代にも人気があったらしい。
さて、「NANA」だが、昨年映画も封切られて、ちょっとした社会現象となったのは記憶に新しい。さすがに(?)映画は見ていないが、挿入歌もヒットし、続編も計画されているやに聞く。まだまだブームは続きそうだ。
「NANA」の魅力は、作者の持ち味でもあるストーリー展開の巧みさにあるとワタシは思う。読まれたかたはわかると思うが、ひとつの「現在(いま)」に向かって物語が展開していく。その「現在」からの主人公の「独白(モノローグ)」が、物語の輪郭をつくっている。
読者は、その「独白」と、まれに登場する「現在」の断片から、この物語の行く末、すなわち「現在」を想像するほかない。そのあたりの巧さが、多くの読者を引きつける要因になっているような気がする。
もちろん、絵も巧い。表情がなんとも言えない。たまに「くすっ」と笑わせる。また、そういったとことが重いだけのストーリーにさせない巧さだと思う。
物語もそろそろ佳境に入ってくる感じだ。いろんなところでネタバレ論議がかまびすしいだろう。それもまた、この作品が多くの人に支持されている証しに違いない。
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